日本語の助詞について知ろう!

学習者に「日本語の何が難しいですか?」と聞くと、毎回あがってくるのが「助詞」。あなたも「助詞ってなんだか難しいな…」と感じているかもしれませんね。この記事では、日常会話でよく使われる重要な5つの助詞をわかりやすくご紹介します。助詞が正しく使えれば日本語力はグンとアップしますよ!それでは早速、見ていきましょう。

 

日本語における助詞の役割や重要性

日本語の大きな特徴の一つは「語順の自由度が高い」ということ。具体的に見てみましょう。

(1) アナさん トムさん 電話をしました。(Ana called Tom.)
(2) アナさん トムさん 電話をしました。(Tom called Ana.)

(1)と(2)は、パッと見るとほとんど同じですが、英語にしてみると違いは明らか。(1)ではアナさんは主語で、(2)ではアナさんは目的語。電話をする人は、完全に異なります。

別の例も見てみましょう。
(1) 私の夫は、毎日、ジムに行くんです。
(2) 毎日行くんです、ジムに。私の夫は。

先ほどの例と比べると、今度の例では(1)と(2)で、語順が全く違います。でも意味は、どちらも“My husband goes to the gym every day.”で同じです。(2)のような文章は、日本語の教科書にはあまり出てきませんが、日常会話ではよく登場します。

もう、おわかりですね。これだけ語順が自由であるにもかかわらず、相手に意味を正しく伝えられるのは「助詞」のおかげなんです。言いかえれば、助詞の使い方をマスターすることは、日本語でのコミュニケーションに不可欠なんです。

 

主格助詞「は」と「が」

ところで、助詞「は」と「が」の違いがよくわからない、と思ったことはありませんか?「彼はアメリカ人です。」「彼がアメリカ人です。」この二つの文の違いは、一体何でしょうか。この質問は、私が日本語教師をしていて、一番多い質問かもしれません。

日本人は感覚的に使い分けていることが多い「は」と「が」。一言で違いを言いきれないからこそ、文章や会話の中で、どのように使われているかをよく見ながら、時間をかけて理解する必要があります。でも今日はそんな中でも、一番大切なポイントを、ズバリお伝えします!

・は:主題(Topic marker)の助詞。
「話したいのはこれです!」と「文のテーマ」を示します。英語だと“as for”が近いです。
・が:主語(Subject marker)の助詞。
「が」の前にある「主語」を強調します。

具体的に見てみましょう。違いがわかりますか?
(1) 私 日本語教師です。
(2) 私 日本語教師です。

(1)はは」が使われていますので、「この文のテーマは私。私について話しますよ!」というニュアンスです。英語だと、“I am a Japanese teacher.”です。自己紹介のときに使う定番フレーズですね。

それに対して(2)では「が」が使われていますので、「日本語の先生なのは、あの人じゃないです、私です!」と、主語である「私」を強調しています。英語だと、“I am the Japanese teacher! It’s me who is the Japanese teacher!” というニュアンスです。

いかがですか? この違い、ご存じでしたか?

 

目的格助詞「を」

「は」や「が」以外に、よく使う助詞と言えば、「日本語勉強します」の「を」。役割はいくつかありますが助詞「を」の主な役割は「動作の対象」を示すことです。

A:週末、何 しますか。
B:友だちと 映画 見ます。

これはあまり難しくないですね。でもときどき、助詞「を」をつけずに「映画 見ます」と言ってしまう学習者がいます。「映画 見ます」なら、なんとなく「映画見ます」と言いたいのかな?と想像できるんですが、では以下のケースでは、どうでしょうか。

・人 サメ 食べます ※サメ=shark

「人が サメ 食べます。(People eat sharks.)」だと考えた人が多いのではないでしょうか。でも、もしあなたが、スティーブン・スピルバーグ監督の映画『ジョーズ』について話したいなら、どうでしょうか。この映画では、巨大なサメが人を食べてしまうんです。

そうです。「人が〜」ではなく、「人サメが食べます。(A shark eats people.)」と言わなければなりません。

一見、省略してしまっても大丈夫なように見える助詞「を」ですが、文章の意味を正しく伝えるためには、やはり欠かせない要素なんです。

 

場所を示す助詞「に」「で」

日本語学習者がときどき混乱する助詞と言えば、「に」と「で」。どちらも日常会話でよく使う助詞で、役割はたくさんありますが、その代表的な役割の一つが「場所」を示すことです。

ではあなたは、次の違いを説明できますか?

(1) 今、マクドナルド います。(I am at McDonald’s now.)
(2) 今、マクドナルド 食べています。(I am eating at McDonald’s now.)

どちらも英語だと”at”、どちらも「マクドナルド」なのに、どうして一つ目は「に」で、どうして二つ目は「で」なんでしょうか。

では、こちらはどうでしょうか。
(1) 日本語の本は 家 あります。(The Japanese book is at home.)
(2) 日本語の本は 家 使います。(I use the Japanese book at home.)

場所を表す「に」と「で」。実は以下のように、使い分けているんです!
に:動詞が「存在」グループのとき。
例:あります、います、住んでいます
で:動詞が「アクション」グループのとき。
例:食べます、見ます、勉強します

そうです。マクドナルドであろうと、家であろうと、場所自体は助詞に関係がなく、助詞の種類を決めるのは「動詞」なんです。

攻略の仕方は簡単![場所]+「で」を使うアクショングループの動詞のほうが、数が圧倒的に多いので、どんな動詞のときに[場所]+「に」を使うのかを覚えることをおすすめします。

まず最初に覚えたいのは「あります、います、住んでいます」の3つ。この3つの動詞は、自己紹介でも日常会話でも、本当によく使いますよね。[場所] あります、[場所] います、[場所] 住んでいます、のように、助詞「に」と動詞を一緒に覚えてしまいましょう。これは使えますよ!

 

TCJでもっと日本語を学ぼう

助詞は、日本語でのコミュニケーションに欠かせない重要な要素ですが、細かなニュアンスの違いを理解したり、自然な使い方を独学で身につけるのは、なかなか難しいものです。ぜひTCJのレッスンで、楽しく効率的に助詞をマスターしてしまいましょう!

 

参考文献

日本語記述文法研究会編 (2009)『現代日本語文法2 第3部格と構文 第4部ヴォイス』くろしお出版
日本語記述文法研究会編 (2009)『現代日本語文法5 第9部とりたて 第10部主題』くろしお出版

この記事の筆者
日本語教師/ライター
FukudaShoko
大手教育系企業にて英語講師養成トレーナーとしてキャリアをスタート。その後、広報職に転身し、企業内ライターとして新聞コラムや書籍の執筆を担当。語学好きが高じ、2020年より日本語教師として活動を開始。2022年にスペインへ移住後は、現地の日本語学校で教鞭を執るほか、TCJのプライベートレッスン講師、日本語試験の問題作成、執筆業などに従事。最近嬉しかったことは、ひらがなの書き方から教え始め、ずっと一緒に勉強してきた生徒が日本での就職を決めたこと。
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