JLPT(日本語能力試験) N3合格に必要な読解力は?読解力強化方法
JLPT(日本語能力試験)N3は、5段階の中でちょうど真ん中のレベルです。
公式には、「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる程度」とされています。
この中で「読む」スキルは次のようになっています。
・日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を読んで理解することができる
・新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる
・日常的な場面で目にする難易度がやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば要旨を理解することができる
とはいえ、これだけ読んでも、実際にどの程度の力が必要なのかはわかりにくいかもしれません。そこで今回は、N3で求められる読解力のレベルや出題傾向、効果的な勉強法・教材についてできるだけわかりやすく解説し、合格に向けた具体的な学習のヒントを紹介します。
JLPT N3試験で求められる読解力は?
JLPTのN3は、初級(N5・N4)を終え、中級の入口に当たるレベルです。読解では「ある程度自然な日本語で書かれた文章を理解できるか」が問われます。
具体的には、日常生活や学校、仕事の場面で使われる文章を読み、必要な情報を正確に取り出す力が求められます。
N3の読解問題では、短いお知らせや案内文、メール、説明文から、やや長めのエッセイ風の文章まで幅広い形式が出題されます。語彙や文法そのものは極端に難しいわけではありませんが、「文と文のつながり」「話題の流れ」「筆者の言いたいこと」をつかむ力が重要になります。
N4と比べてみると次のような違いがあります。
・読解が長くなり、難しくなる
時間:文字語彙読解パート N4 55分→N3 70分
文字数と量:初めて長文問題(550字)が出題される
・漢字語彙が多くなる
・書き言葉が多くなる
・抽象度の高い語彙が増える
・意味が似通った文型が出題される(例:もの・こと・わけ、めぐって・ついて・対して・関して)
このように、N3では「なんとなく読む」だけでは対応が難しくなってきます。
JLPT N3の読解問題攻略法
N3の読解読解では、N4よりも情報量の多い文章を読み、書き手の主張や意図を理解する力が必要です。出題形式は大きく分けて、内容理解と情報検索の2種類があります。
短文・中文理解(内容理解)
説明文、通知、メール、簡単な手紙などが出題されます。短文は100〜200字程度、中文は300〜400字程度の文章が中心です。よく出る問題タイプには、次のようなものがあります。
・指示語 「これ」「それ」などが何を指すかを問う。
・理由や目的 「なぜその行動をとったのか」を問う。
・要旨 文章全体で筆者が最も言いたいことは何かを問う。
・具体的な情報 5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どうしたか)を問う。
指示語は、直前の1文〜2文、または文のかたまりを指すことが多いため、名詞だけでなく、内容のまとまりを見ることが大切です。理由・目的の問題では、「〜ので」「〜ため」「〜ように」といった表現に注目します。要旨問題では、文章の最初や最後の段落、「つまり」「要するに」などの表現の後に注目するとよいでしょう。5W1Hの問題では、設問のキーワードを意識し、その周辺を丁寧に読むことが重要です。
長文理解(総合理解)
複数の段落からなる長めの文章を読み、文章全体の流れや筆者の考えを理解する問題です。500字前後の、やや抽象的な文章が出題されることもあります。攻略のポイントは次のとおりです。
・「しかし」「一方」「つまり」などの接続詞に注目する
・段落ごとに「何について書かれているか」を意識する
・先に設問を読んで、読む目的を明確にする
これらを意識することで、内容を整理しながら読むことができます。
情報検索(実用情報)
イベントのチラシ、ウェブサイトのQ&A、料金表など、複数の資料から必要な情報を探す問題です。
まず「何を知りたいのか」という目的を確認します。
次に、目的に関係するキーワードを探し、不要な情報は読み飛ばします。複数の資料を比較する必要がある場合も多いため、条件を整理しながら読むことが重要です。
JLPT N3合格に向けた勉強法
N3読解対策では、語彙・文法・読解をバランスよく学習することが重要です。
語彙や文法の基礎が不十分なままでは、読むこと自体が負担になってしまいます。
読解学習は、次のような流れがおすすめです。
1. 短い文章で「何について書いてあるか」「一番言いたいこと」をつかむ練習
2. 問題集を使って形式に慣れる
3. 正解・不正解の理由を必ず確認する
4. 新しい語彙・文法は必ず復習する
また、精読と速読を使い分ける練習や、時間を意識した演習も重要です。
普段からニュース記事やブログなど、日本語の文章に触れる習慣をつけると、読解力は着実に伸びていきます。
JLPT N3レベルの読解力を鍛えるおすすめ教材
新完全マスター読解 日本語能力試験N3
このシリーズは有名なので、知っている人も多いと思います。
合格に必要な読解力を段階的かつ体系的に身につけることができる点が最大のおすすめポイントです。N3の読解問題にいきなり取り組むのではなく、問題を解くための基本的な能力を先にトレーニングできる構成になっています。また、実際の試験で出題されるあらゆる形式の文章に対応できるように、幅広く練習できます。
基礎から応用までをバランス良くカバーしているため、「読解は苦手だが、時間をかけて克服したい」と考えている学習者にとって、特におすすめの教材と言えます。
JLPT読解N3 ポイント&プラクティス
試験に必要な力を短期間で身につけることができます。実際の JLPT と同じ出題形式で構成されているため、試験本番に慣れるのに最適です。
本の名前通り、重要文法・語彙・読解のコツ(ポイント)を解説し、それに対応した練習(プラクティス)で実践力をつけられます。
解説が丁寧で、解答と解説がついているため、自分で学習を進めても理解しやすい構成になっています。
〈音声DL付〉増補改訂版 日本語総まとめ N3 読解(英語・中国語・韓国語版)
N3読解で出題されるタイプの問題(主旨・細部理解・構成把握など)を体系的にカバーしており、実践力をしっかり鍛えられます。
「1日2ページ×6週間」というスケジュールが設定されており、計画的に学習しやすい構成です。毎日の学習リズムがつくれるのは自習者にとても便利です。
読解教材としては珍しく、音声データ(無料ダウンロード)が付属している点も大きなメリットです。その音声を聞きながら読み進めることで、リスニング力と読解力の両方を鍛えられます(読解の例文など)。
必ずできる!JLPT「読解」N3
「長い文章を読むのが苦手」「読解ができなくて日本語能力試験N3に受からなかった」という日本語学習者のための問題集です。
1日の分量は1日2ページ、15分からで、とても取り組みやすくなっています。少しずつ難易度を上げて、無理なく読解力を引きあげていきます。練習問題を解く前に、ウォーミングアップで1文をしっかり読む練習があるので、読解が苦手な人でも気軽に始めることができます。
グラフや表を読み取る問題から、文章を順番に並べる問題など、読解力を伸ばすいろいろな種類の問題を用意。飽きずに楽しく続けられる工夫がされています。
TCJで勉強してJLPT合格を目指そう
JLPT N3合格を目指すうえで、独学に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。そのような方には、日本語学校・TCJでの学習がおすすめです。TCJでは、JLPT対策に精通した講師が、N3レベルに必要な語彙・文法・読解力を体系的に指導しています。
授業では、単に問題を解くだけでなく、「どう読めば正解にたどり着けるか」「間違えやすいポイントはどこか」といった考え方まで丁寧に解説します。そのため、読解に苦手意識がある学習者でも、少しずつ自信を持って文章を読めるようになります。
また、クラスメイトと一緒に学ぶことで、ほかの学習者の考え方に触れたり、モチベーションを保ったりできる点も大きな魅力です。プライベートレッスンでは、より希望に合ったスタイルで学ぶことができます。
計画的に学習を進めたい方、確実にJLPT N3合格を目指したい方は、ぜひTCJでの学習を検討してみてください。
参考文献
※( )は出版社名です
・新完全マスター読解 日本語能力試験N3 (スリーエーネットワーク)
・JLPT読解N3 ポイント&プラクティス (スリーエーネットワーク)
・〈音声DL付〉増補改訂版 日本語総まとめ N3 読解 英語・中国語・韓国語版/英語・ベトナム語版 (アスク出版)
・必ずできる!JLPT「読解」N3 (アルク)