漢字を学ぼう 面白い漢字・漢字で遊ぼう

漢字の覚え方:楽しく覚えましょう

みなさんは漢字を面白いと思いますか。それとも、「見るだけでも嫌。頭が痛くなる。」というタイプですか。先日、書店の日本語テキストコーナーで、「もう日本に16年もいるけど、もっと日本語を勉強したい。でも、漢字は大嫌いだから漢字を使っていない日本語の教科書を紹介してほしい。」と店員さんに相談している方を見かけました。私はそれを聞きながら、逆に「16年間、漢字なしで日本語を勉強していたのか。すごいな。」と感心しました。

漢字は面倒くさいけれど、少しわかると面白くなるものです。漢字を覚えると、使える言葉が増えてきます。そして、日本語で書いてあるものが読めるようになります。また、分からない言葉でも、その言葉に使われている漢字から言葉の意味が考えられるようになります。

では、最初に、漢字を覚えるコツを三つ紹介します。一つは、漢字を読む順番です。「読む⇒意味⇒書く」の順番で覚えることです。漢字を読むことができれば、日本語の文を読むことができます。また、読むことができれば、その意味を調べることもできます。もちろん、書くこともできれば一番いいのですが、難しいと感じる方はまず読む練習をすればいいと思います。

二つめは、単語で覚えることです。日本語の漢字は、1つの漢字にいろいろな読み方があります。例えば「生」という漢字には、基本的に13の読み方があり、単語や地名も加えると150以上の読み方があるそうです。

生きる、生まれる、生える、生じる、生ビール、生活。全部「生」の読み方がちがいます。「生」の読み方をひとつひとつ覚えるよりも「生ビール。なまビールの生。なまビールはおいしいよね。」「うちの赤ちゃんに歯が生えた。かわいいな。歯がはえた顔を写真にとっておこう。」と言葉で覚えたほうが楽しいし覚えやすいと思います。

三つめは忘れてしまってもがっかりしないことです。外国の文字は本当に難しいです。私も他の国の言葉を覚えてもすぐに忘れてしまいます。覚えても忘れていいと思います。また、その言葉が必要になったときにもう一度調べてください。よく使う漢字や言葉は何回も調べているうちに覚えられると思います。

 

ちょっと面白い漢字:形編

面白い漢字はたくさんあるのですが、今回は、同じ漢字がたくさん集まってできた漢字の紹介です。

まずは「木」から。
木という漢字がありますね。 木(き:tree)。
木がたくさん集まると 林(はやし:woods)
もっとたくさん集まると 森(もり:forest) になります。

次は「日」です。
日は太陽という意味ですが 日(ひ:Sun)
日の光は 昌(しょう)
日の光がたくさんあって美しい 晶(しょう)

「日」を使った漢字をもう一つ紹介しましょう。

「日」によく似ている漢字で「旦(たん)」という漢字があります。この漢字を使った言葉が「元日(がんじつ)」と「元旦(がんたん)」です。「元日」は1月1日のこと。一方、「元旦」は1月1日の朝という意味です。元旦の「旦」というのは太陽が海から上に出てくることを表しています。一、これが海。日が太陽で、太陽が上に上がっているというわけです。

「一」は土地や海を表していることがあります。ですから「上は」「一」の↑「下」は一の↓という意味になるのです。
「森」や「晶」のように同じ漢字を3つ組み合わせた漢字はほかにもあります。
「驫」(ひょう)という漢字は馬が3つあります。これは、馬が速く走るという意味です。「轟」は車が3つあります。これは、車がたくさん走って大きい音がするという意味です。「品(しな・ヒン)」は商品(しょうひん)や品物(しなもの)などに使われる漢字です。これは口が3つですが、この口はものを入れる器(うつわ)、容器(ようき)の意味です。容器に入れてある物がたくさんあるということですね。

 

ちょっと面白い漢字:覚え方編

「く、ノ、一」く、の、いち。これはどんな言葉かわかりますか。

「く ノ 一」は「女」。女という漢字の中にく、ノ、一が隠れているから
女の忍者(にんじゃ Ninja)という意味なのだそうです。忍者の映画やドラマには出てきますよ。
この「く、ノ、一」のように、カタカナや簡単な漢字を組み合わせて覚えられる漢字はたくさんあります。漢字の中に入っているカタカナや漢字の部品を探してみると面白いですよ。

例えば、
ハ + ム ⇒ 公(ko)
タ + ト ⇒ 外(soto)
タ + 口 ⇒ 名(na)
日 + 土 + 寸 ⇒ 時(toki)
ム + 月 + ヒ + ヒ ⇒ 能(nou)
立 + 兄 + 立つ + 兄 ⇒競(kyo・競うkiso-u)
田 + 月 ⇒胃(i)
木 + ツ + 女 ⇒ 桜(sakura)
八 + 十 + 八⇒ 米(kome)

他にも探してみるといろいろな漢字の部品が見つかると思います。ぜひ、友だちや家族といっしょにゲームを楽しむように漢字の中にどんなカタカナや漢字が入っているかを探してみてください。

 

ちょっと面白い漢字:漢字で遊ぼう

日本では毎年12月に、京都の清水寺(きよみずでら)というお寺で「今年の漢字」を発表します。これは、日本全国の人が「今年の漢字」だと思う漢字を応募して一番多かった字が選ばれます。インターネットでも応募できるし、誰でも応募することができます。清水寺のお坊さんが大きい紙に今年の漢字を書く様子はテレビニュースでも放送されます。2024年は「税(ぜい)」でした。税金の「税」。これにはお坊さんもびっくりしていました。みなさんも、「今年の漢字」「わたしが好きな漢字」を考えてみてください。それを紙に書いて部屋に張ってみたり、携帯の待ち受けにすると楽しいと思います。

また、漢字で自分の名前を作るのも面白いです。例えば、アリさんなら「亜里」や「愛理」、キリルさんなら「希李流」「帰里留」のように、漢字はたくさんありますからいろいろな名前がつけられます。周りにいる日本人と一緒に考えてみるのも面白いです。自分の名前が漢字で書けると、苦手な漢字が少し楽しくなるかもしれません。

日本は魚の国、雨の国です。魚や釣りが好きな人なら魚の漢字をたくさん調べてみるのはいかがでしょうか。日本には魚がついた漢字が200以上もあるそうですよ。また雨がついている漢字は35ぐらいあるそうです。自分の興味があること、趣味に関係がある漢字から勉強してみると漢字に興味が持てると思います。

 

TCJ講師から

「どうすれば漢字が覚えられますか」という質問は学習者さんからの質問で一番多いと思います。漢字の効果的な覚え方は人によって違います。何回も読んでいるうちに覚えられる人もいれば、書くことで覚えられる人もいます。じっと漢字を見ていたら覚えられるという人もいます。私はクラスでは学習者さんになるべく漢字が入った文を声に出して読んでいただくようにしています。漢字が入った文を読むことで読み方も、漢字の意味も勉強できます。また、語彙や漢字のテキストの中には、漢字が入った短い文で言葉や漢字が勉強できるものもたくさん市販されています。漢字は文で覚える、漢字は言葉で覚える。試してみてくださいね。

 

この記事の筆者
日本語教師
Rie Miyashita
2001年から日本語教師の仕事を始める。学習者の「わかった。」という笑顔が嬉しくて、この仕事を続けている。主に日本語学校で、初めての日本語から上級者の日本語まで担当してきたほか、JLPTやEJU対策、進学指導、クラス担任も行う。TCJでは2021年から夜間の社会人クラスを担当している。現在は外国人就労者のための日本語、日本で生活する外国人の日本語、地域の日本語に関心があり、日々の仕事の中で実践中。令和3年 文化庁委託就労者に対する日本語教師【初任】研修修了、令和5年 「生活者としての外国人」に対する日本語教師【初任】研修受講中。

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